すごいだいず

濃さは普通です in Canada

だから捨てる

ふと福原美穂は今何してるのか気になって調べてみたら、彼女も妊娠しているらしい。私より3ヵ月くらい先輩か。年末のライブ、自主レーベルからのアルバム発売決定後に妊娠が発覚してだいぶバタバタしたのではないか。妊娠8か月で5公演、産後2か月で復帰公演だからだいぶ精力的だ。

よくよく考えてみたら、北海道の街角でマライアを歌って注目された高校生が、リスモのCMソングに大抜擢されて、ミュージカルドラマでのヤンママ役で久々に見かけて、sweetboxに参加して…といった断片的な知識しかない。でも『優しい赤』だけは鮮明に覚えている。

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 変わらない空 変わり行く雲
 私はここで 動けずにいた
 だからさよなら だから捨てる
 優しい場所も 君の声も

この気持ちは、地方コンプレックスを抱えて就職や進学で都会へ出てきた経験のある人は誰もが共有できるのではないか。長渕剛とか福山雅治は夢を持って田舎から出てきたエピソードが有名だし、シャ乱Qの『上・京・物・語』や槇原敬之の『遠く遠く』など上京ソングの人気は根強い。最近だとPerfumeの『ワンルーム・ディスコ』もか。

 まるで七五三の時のよに
 ぎこちないスーツ姿も
 今ではわりと似合うんだ
 ネクタイも上手く選べる

 新しい場所で うまくやっていけるかな
 部屋を片づけて 買い物に出かけよ
 遠い空の向こう キミは何を思うの?
 たぶん できるはずって 思わなきゃしょうがない

両親と大喧嘩の末に一人暮らしを勝ち取って仙台で暮らした4年間は、貧乏だったし家族とはほとんど連絡を取らなかったけど楽しかった。そして「捨てた」はずの地元に戻って新しい人生を始めたあの頃だからこそ、彼女の歌声は忘れられないものとなった。頑張って夢を叶え続けてほしい。


BGM:『優しい赤』福原美穂